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理系すぎるお料理レシピ:第17回「グラタン」

理系すぎるお料理レシピ:第17回「グラタン」

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私たちが日ごろ口にするあらゆる料理は、さまざまな化学反応によって生まれています。調理とは科学であり、レシピとはある料理を再現するための“実験手順書”でもあるのです。

今回ご紹介する「理系すぎるお料理レシピ」は、「グラタン」。自宅で作ると、とろみが上手に出ずサラサラのソースになってしまったり、薄力粉がダマになってしまったりした経験はありませんか? そんなお悩みを解決できるコツを詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!


グラタンの再現方法とその考察

目的

なめらかなとろみのクリーミーなグラタンを作る。

方法

〈材料〉2人分

・マカロニ 100g
・鶏もも肉 60g
・玉ねぎ(スライス) 1/4個分(50g)
・しめじ 1/2株
・薄力粉 15g
・バター 15g
・牛乳 400ml
・コンソメ(顆粒) 小さじ1/2
・塩 小さじ1/2
・こしょう 0.01g
・サラダ油 小さじ1
・ビザ用チーズ 40g
・パン粉   1g


〈手順〉

■下準備

  1. マカロニは表示時間通りに塩ゆでする。

■グラタンソース作り工程

  1. フライパンに油を熱し、鶏もも肉を中火で炒める。2分ほど炒めて肉の色が変わったら玉ねぎを加えてさらに1分半ほど炒める。
  2. 玉ねぎに透明感が出たらしめじを加えてさらに1分ほど炒めて火を止める。
  3. バターを加え、溶けたらふるった薄力粉を加えて弱火にかけて粉っぽさがなくなるまで炒める。
  4. フライパンをコンロからおろし、濡れ布巾などの上に置いて冷まし、5060℃に温めた牛乳の半量を注ぎ入れて弱めの中火にかけ混ぜる。とろみがついてきたら残りの牛乳を注ぎ入れてさらに混ぜながら火にかける。
  5. ☆の調味料を加えて弱火にかけ、ふつふつと湧いてから弱火で5分ほど、時々混ぜながら煮る。
  6. マカロニを加えて混ぜ合わせる。

rikelab_ gratin_flowchart01.png


■焼き工程

  1. 耐熱容器にグラタンソースを移し、ピザ用チーズ、パン粉をのせて、こんがり焼き色がつくまで焼く。(トースターなら1000w56分ほど、オーブンなら200度で10分ほど)

焼き工程フローチャート.png



結果

クリーミーなとろみのアツアツグラタンが完成した。

グラタン.jpeg

ポイント/考察

グラタン作りで上手にとろみをつけるには、以下を心がけるとよい。

■小麦粉はふるってから入れる

小麦粉はふるってから使用することでダマにならず、なめらかなとろみが生まれる。


■牛乳を加える時にもひと手間を

牛乳は50~60℃程度に温め、薄力粉がダマにならないよう数回に分けて入れると良い。牛乳は1回入れるたびに沸騰させとろみを出し、また牛乳を加えてとろみを出すことを繰り返すと上手にとろみが引き出され、なめらかに仕上がる。

また、牛乳を加えてルーをのばす時の温度は、小麦でんぷんの糊化温度である58℃より低い50℃程度にするとダマができにくく、均一なソースになる。そのため今回のグラタン作りでは牛乳を加える際にフライパンをコンロからおろし、濡れ布巾の上で冷ます方法をとった。

結論として、なめらかでおいしいグラタンを再現するには

  1. 薄力粉はふるってから使用する
  2. 牛乳は50〜60℃に温めて数回に分けて入れ、都度沸騰させてとろみを出す
  3. 牛乳を加える時はフライパンを50℃程度に冷ます


ことが重要である。


とろみを引き出し、クリーミーなグラタンを作るには、薄力粉がダマにならないようふるっておくことや、温めた牛乳を分けて入れること、フライパンを一度冷ますことなど、ちょっとしたひと手間が重要になるのですね。小麦でんぷんの糊化温度を意識して調理すれば、誰でもおいしいグラタンが作れますよ。ぜひお試しください!

フローチャート作成参考:
『応用自在な調理の基礎 フローチャートによる系統的実習書 西洋料理編』
河内一行ほか/家政教育社

(記事監修/管理栄養士 棚橋伸子)

リケラボ編集部

リケラボ編集部

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