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「イノベーションを起こすヒントをくれる理系の名言」(リケラボまとめ)
研究者にとって、既存の枠組みを超えて新しい価値を生み出す「イノベーション」は永遠のテーマです。これまでのリケラボの記事から、革新を起こすためのマインドセットや具体的なアプローチについて語られた珠玉の名言を5つピックアップしました。
イノベーションは、新結合によって起こります。そこで、自分の専門とは違った分野の人と積極的にコミュニケーションをとり、その人の「おまかせ」を聞いてみて世界を広げることがものすごく意味のあることになってくるのです。 ―稲見 昌彦
「イノベーション」という言葉の定義とも言える「新結合」。東京大学 先端科学技術研究センターで教授を務める稲見氏は、自分の専門分野に閉じこもるのではなく、専門外の人と積極的にコミュニケーションをとることこそが、新しい発想を生む鍵であると説いています。
進む先を考えるうえで「自分が『好き』だと思っていることにとらわれすぎないほうがいいかもしれません」とも稲見氏は語ります。あえて「好き」や「専門」の外に出てみることで、化学反応が起きるきっかけが、見つかるかもしれません。
出典: コロナ時代に人と人をつなげるテクノロジー!東大稲見教授の自在化身体プロジェクト
よく観察するのが第一です。良い結果が出たときほど注意が必要で、なぜそうなったのかを突き止めなければなりません。うまくいったときは、それまで気づいてなかった原理を捉えているケースが多いのです。 ―永岡 勝俊
教科書やこれまでの定説を疑うことから、真のイノベーションは始まります。名古屋大学工学研究科の永岡勝俊教授は、アンモニア合成において100年ぶりの技術革新に挑む中で、研究とは「既成概念との闘い」であると語っています。
アンモニア合成の新たな触媒開発において、永岡氏は「高温で触媒を前処理する」という通説に反するありえない発想をあえて実行しました。これまで誰も試そうとしなかった条件での検証が、結果として世界最高レベルの合成速度を叩き出すというブレークスルーをもたらしたのです。
「現実は日々失敗の繰り返しです。けれども、失敗の瞬間こそが最高の学びになると考えています」という言葉も、常識を破るプロセスには失敗がつきものであり、それを乗り越えた先にこそ新しい発見が待っていることを教えてくれます。
出典:地球を救う未来エネルギー『アンモニア』、その合成法に逆転の発想で100年ぶりのイノベーションを起こす―名古屋大学・永岡教授の挑戦―
新しい発想にとって大事なのは「違和感に気づく」ことだと思います。「どこか違うぞ」「何か変だな」と。そんな日常の小さな変化に気づくためには、定点観測をすることをお勧めします。 ―中川 聰
壮大なアイデアも、最初は日常の些細な「違和感」から始まります。トライポッド・デザインCEOを務める中川聰氏は、未来は単に時間が経てば向こうからやってくるものではなく、自分の中にある意識の地平から見えてくるものだと語ります。
「挑戦する意識を持ち続けていると、思わぬ発見や仮説に出会うことがあります。それらは決して偶然ではなく、過去に経験しながら意識下に潜在化した事柄が還ってきたものです」。そうした気づきの現れ方を、「未だ見ぬ過去、懐かしい未来」と中川氏は名づけました。日々の研究や生活の中で感じる小さな「違和感」を大切に洞察を深めることが、イノベーションの第一歩となります。
出典:土や水、自然物を利用して電気を集める驚きの技術「超小集電」の可能性と、未来を生み出す発想法とは プロダクトデザイナーにして自然科学者。トライポッド・デザイン中川CEOインタビュー
経済効果にまで結びつけてこそイノベーションとなる。 ―北森 武彦
研究室での発見だけではイノベーションとは呼べません。マイクロ流路デバイスを発明した北森武彦氏(掲載当時、東京大学特任教授。現在は東京大学名誉教授、台湾・国立清華大学玉山栄誉講座教授、神奈川県立産業技術総合研究所理事長、IMT台湾社CTO)は、知識にバリュー(価値)をつけ、経済効果を生んで初めてイノベーションが成立すると厳しくも本質的な指摘をしています。
北森氏は、「博士こそイノベーション人材だからです」と述べ、さらに「博士課程は、新たな知識を創造するためのトレーニングの場だからです」とも語っています。社会実装までを見据え、自分の研究をどう社会の価値に変換するかを常に問う姿勢がイノベーターには必要です。
出典:マイクロ化学チップ発明者 北森武彦先生に聞く、グローバル人材となるために必要な能力とは
細部の改善を積み重ねて、地道に少しずつ改良するやり方が採用されていました。けれども、それではイノベーションは起こせません。100ある計算プロセスを3つぐらいまで省略できないかと考える、これが数学的な発想なのです。 ―大田 佳宏
イノベーションを生むには、既存のやり方を少しずつ改善するだけでなく、時に問題の捉え方そのものを変える視点が欠かせません。Arithmer株式会社の代表取締役社長である大田佳宏氏は、計算の高速化を例に挙げ、従来の延長線上ではない発想の重要性を示しています。
特に大田氏が示すのは、「数学的な自由な思考」が、既成概念の枠にとらわれない発想を可能にするということです。同社が開発した、スマートフォンの動画から危険運転をリアルタイムで検知・警告するアプリも、そうした当たり前にとらわれない思考から生まれました。従来は高性能なワークステーションでも数時間かかっていた膨大なデータ処理を、アルゴリズムの定式化自体を根底からゼロベースで考え直すことで、100のプロセスを3に短縮し、スマホ上でコンマ数秒で処理できる劇的な再構築を実現したのです。大田氏の言葉は、新たな発見や技術革新の鍵が、自分の思考の枠を壊すことにあると教えてくれます。
出典:「数学を究めてビジネスになるの?」に真っ向勝負。数式の力で社会課題を解決する、東大数学科発のベンチャー企業アリスマー
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リケラボ編集部より
ここで紹介したのはほんの一例。リケラボにはまだまだ多くの名言、金言、心に刺さるメッセージが満載です。気になったら、ぜひ元のインタビュー記事も読んでみてくださいね!