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洗剤には高度な技術が詰まっている! 開発者とマイスターに聞く「掃除用洗剤  の正しい使い方」&研究職 希望の方へのメッセージ -ライオン株式会社-

洗剤には高度な技術が詰まっている! 開発者とマイスターに聞く「掃除用洗剤 の正しい使い方」&研究職希望の方へのメッセージ

ライオン株式会社

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「こすらず60秒で汚れが落ちる」「お風呂のピンク汚れを予防できる」――洗剤の進化によって、以前よりも格段にお掃除が楽になっていると思いませんか? 最新の洗剤には緻密な科学が詰まっています。でも、皆さんはその力を本当に100%活かせていますか?

洗剤のプロが試行錯誤を重ねて生み出した製品も、使い方次第で本来の力を発揮できないことがあるかもしれません。もしそうなら、とてももったいない・・・!

最新の洗剤にどんな工夫が込められているのか、科学的な背景も含めて研究員の方に直接聞いてみたい・・・!

そんなリケラボ編集部の希望を叶えてくださったのがライオン株式会社様。教えてくださったのは、製品開発を手がける研究員の溝田さんと、お掃除の専門家であるリビングケアマイスターの吉井さんです!

お二人のお話から、日用品の研究開発の仕事のリアルや、どんな人が向いているかもわかるので、キャリアのヒントにしていただけると幸いです!

ライオン株式会社のリビングケアマイスター・吉井和美さん(写真左)と、洗剤の研究開発を担当する溝田志織さん(写真右)。
(リケラボ編集部撮影)

吉井さんは、掃除用洗剤の研究開発10年以上の経験をお持ちで、現在は、蓄積した知見を活かして実生活に即したお掃除のノウハウをお客様に伝える役割を担う「リビングケアマイスター」。ライオン社内でも数少ない専門家です。

研究員の溝田さんは、主にお風呂・トイレ用洗剤の開発を担当。洗剤の処方を設計し、洗浄効果を最大限に引き出す研究に日々注力されています。

今回は、浴槽をこすらなくてもキレイにできるお風呂用洗剤『ルックプラス バスタブクレンジング銀イオンプラス』と、便器のフチ裏まで簡単に洗浄できるトイレ用洗剤『ルックプラス 泡ピタトイレ洗浄スプレー』について、開発の裏話と効果を引き出すための正しい使い方やお掃除のコツについて伺いました!

Q. 「こすらず落とす」洗剤は、どうしてこすらなくても汚れが落ちるのですか?

質問者アイコン

お風呂掃除は、腰をかがめたり、腕を伸ばしたり、時には浴槽の中に入ったりと、なかなかの重労働です。ライオンさんの「ルックプラス バスタブクレンジング」が発売されたときは、その大変さから解放される!と目の前が明るくなりました。でも、どうしてこすらなくても汚れが落ちるのでしょうか?仕組みを教えてください!

溝田さんアイコン

こすらずに汚れが落ちるのは、浴槽にこびりついた汚れに洗浄成分が作用し、汚れをふやかして浮かせるからです。

浴槽につく湯垢は、カルシウムが結合剤(バインダー)となって、汚れを浴槽に固着させてしまうことで発生します。こうした汚れはスポンジでこすって物理的に落とすのが一般的でした。

でも「こすらない洗剤」である「ルックプラス バスタブクレンジング」シリーズは、カルシウムを除去する成分を配合することで、汚れを浮かせてシャワーで流すだけでスルッと落ちるようにしています。

こすらず60秒で浴槽スッキリ!お風呂掃除の強い味方、ライオン「ルックプラス バスタブクレンジング」シリーズ。除菌効果の高い銀イオン配合タイプもラインナップされている。
(画像提供:ライオン株式会社)

質問者アイコン

とはいえ「こすった方がさらに汚れが落ちるのでは?」と思う人もいそうです。実際のところ、どうなんでしょうか?

溝田さんアイコン

「こすらなくても落ちるなら、こすればもっと落ちるのでは?」という疑問もごもっともですが、「ルックプラス バスタブクレンジング」シリーズは、こすっても洗浄効果は変わりません。

この洗剤は、浴槽掃除の中でも特に負担の大きい「こする」という作業をなくすために開発されたものですから、洗剤が浴槽全体にきちんとかかっていれば、シャワーで流すだけでしっかり汚れを落とすことができます。

実際、浴槽の場合、普段の汚れであればこすったからといってさらに汚れが落ちるわけではありません。

「こすってもかまいませんが、洗浄効果は変わらないため、あえてこする必要はないですよ」というのが開発者からのお答えになります。

浴槽の汚れをこすらず落とすためにカルシウムの除去が重要であると着目したのもライオンさん。浴槽掃除を劇的に変える大発見だった。
(リケラボ編集部撮影)

Q. 「銀イオン配合」は何が画期的?

質問者アイコン

銀イオン配合の「ルックプラス バスタブクレンジング 銀イオンプラス」について詳しく教えてください。銀イオンが配合されることでどのような効果が加わったのでしょうか?

溝田さんアイコン

除菌効果を付加しました。銀は紀元前から除菌効果があることが知られています。銀イオンは、菌の細胞内に取り込まれると、タンパク質と結びついて菌の代謝を阻害し、その働きを抑える作用を持っています。ちょっと油断するとできてしまう、浴室の床や排水口のピンク汚れも菌が原因なので、発生を防止できるんですよ。

質問者アイコン

とても便利です! 銀イオン配合の洗剤を開発するにあたって、ご苦労はありましたか?

溝田さんアイコン

実はとても苦労しました。

銀イオンは別の物質と結びつきたがる性質があり、安定的に洗剤中に維持することがとても難しいんです。すぐに沈殿してしまうんですね。沈殿してしまうと除菌効果は出なくなってしまうので安定に配合できる処方を見つけるまで何度も処方を組み直し、実験を重ねました。短期間に膨大な数の実験をこなし、とても思い入れのある製品です。

Q. こすらない洗剤の効果を100%発揮するための使い方のポイントは?

質問者アイコン

ズバリ「ルックプラス バスタブクレンジング」シリーズの効果を100%発揮するための適切な使い方について教えてください!

質問者アイコン

こすらない洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」の効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントをぜひ押さえてください。

  1. 浴槽を事前に軽く濡らす
    浴槽を濡らしておくことで洗剤が均一に広がりやすくなるので、その後洗剤でムラなく汚れを浮かせることができます。
  2. スプレーは一般的な浴槽なら約15プッシュを目安に
    浴槽の上から底まで全面に洗剤がかかるようにスプレーするには、一般的な浴槽でだいたい15~20プッシュくらいです。この適量をぜひ意識してください。
  3. スプレーするときは「シュッ、シュッ」と短く押さず、「シューーッ」と一定の速度でスライドしながら噴射する
    これにより、洗剤を1プッシュで約1mの広範囲に均一にかけることができるので、効果を最大限発揮できます。
  4. 60秒待ってから、シャワーで流す
    洗剤が汚れを浮かせるのに時間が必要なので、時間を守ることが大切です。

「ルックプラス バスタブクレンジング」は、ワンプッシュで広範囲を覆えるように、通常のスプレートリガーよりも多い2mLの洗剤が噴射される設計になっている。腕をスライドさせながらゆっくりレバーを引き切るのが正しい使い方のコツ。
(画像提供:ライオン株式会社)
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質問者アイコン

60秒待つことがポイントとのことですが、さらに長く待てば待つほど、効果が期待できますか?

質問者アイコン

60秒という時間は“最低限かつ必要充分”な目安です。洗浄効果の観点では、この時間で、成分が汚れにしっかり作用して浮かせるように設計されており、それ以上長く待っても洗浄効果が大きく高まるわけではありません。

むしろ、10分以上放置すると洗剤が乾き、浴槽の表面に色が残る恐れもあるため、必要以上の長時間の放置はおすすめしていません。

つまり、「ムラなくスプレーして、60秒待ってからしっかり流す」——これが最も効果的な使い方です。

質問者アイコン

洗剤を青色にしているのはどうしてですか?

溝田さんアイコン

スプレーした部分を見やすくする工夫のひとつです。洗剤をかけた場所をわかりやすくすることで、効率的にかけやすくなるのと、流し忘れを防ぐために、あえて目立つ青色をつけています。

ちなみに、トイレ用の「泡ピタ」には着色していません。泡ピタは、壁紙やフローリングなど、色が染み込みやすい場所に使われることも想定しているからです。お風呂場は基本的に防水素材でできているため10分以上放置しなければすぐさま色は移りませんが、トイレはそうはいきません。使う環境に合わせて製品を開発しています。

Q. お風呂のピンク汚れの対策は?

質問者アイコン

お風呂場の隅などにできる「ピンク汚れ」は「ルックプラス バスタブクレンジング 銀イオンプラス」で予防できるとのことですが、もし発生してしまった場合の対策についても教えてください。

質問者アイコン

ピンク汚れの正体は、主にロドトルラという酵母です。増殖のスピードが早いことが特徴です。もしできてしまったら浴室用の洗剤でこすり洗いしてください。

早めの対策で防止すればお掃除が格段に楽になります。

  • 1週間に1回は、ピンク汚れが発生しやすい部分に洗剤をスプレーする
    銀イオンによる除菌機能をもつ「ルックプラス バスタブクレンジング 銀イオンプラス」は、ピンク汚れの予防にも効果的です。
  • ピンク汚れが発生しやすい床や、排水口の周辺などは特に重点的に洗浄する
  • お風呂の使用後はしっかり換気を行い、湿度を下げる

ピンク汚れは、ロドトルラ(酵母)などの微生物が増殖してできる生物由来の汚れ。増殖しやすいので、日頃の予防と換気が重要。既に発生しているピンク汚れは、こすり掃除で除去を。
(画像提供:ライオン株式会社)

Q. 黒カビを防ぐコツはありますか?

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お風呂掃除のもう一つの大きな悩み、黒カビについてはどうでしょう?

質問者アイコン

黒カビは、真菌の一種であり、表面に付着するだけでなく、素材の奥深くまで菌糸を伸ばして根を張る性質があるため、ピンク汚れよりも強力な対策が必要です。ポイントは以下2つです。

発生前に予防

  • 浴室をしっかり乾燥させる(換気扇を回す、水滴を拭き取る)
  • 防カビ剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」を定期的に使用

発生後の除去

  • 塩素系のカビ取り剤をかけたあと時間を置いてから洗い流す

目に見えない黒カビの原因菌を「銀イオン(Ag)」の煙で除菌するくん煙タイプの防カビ剤。カビができてしまってからのお掃除は大変なので予防が大切。
(リケラボ編集部撮影)

Q. トイレ用洗剤に求められる特徴とは?

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トイレの洗剤とお掃除術についても教えてください。お風呂用の洗剤と比べて、トイレ用洗剤の特徴はどんなところにありますか?

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お風呂用とトイレ用の洗剤では、違いはたくさんありますが、ひとつには求められる泡の性質が異なります。

お風呂用洗剤は、泡切れがよくシャワーで流しやすい処方にしています。浴槽は身体に直接触れるものなので、洗剤が残らない泡切れの良さが求められるからです。一方トイレ用洗剤は、泡がしっかり汚れの部分に留まることで効果を実感できます。汚れがよく落ちるだけでなく、しっかり落とせた!と感じられることもお掃除の満足につながるため、使用感も大切なポイントです。

質問者アイコン

また、トイレは便器だけでなく、壁や床にも汚れが付着しやすいため、トイレ用の洗剤にはさまざまな素材に優しく、広範囲に使えることにもニーズがあります。当社の「ルックプラス 泡ピタトイレ洗浄スプレー」は、便器のフチ裏だけでなく、床や壁にもそのまま使える仕様になっています。

「ルックプラス 泡ピタ トイレ洗浄スプレー」。フチ裏汚れに強いだけでなく、床や壁にも使えるのが特徴。
(画像提供:ライオン株式会社)

Q. 密着する「泡」の秘密とは?

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「ルックプラス 泡ピタ トイレ洗浄スプレー」は、まさに「泡」がポイントの商品だと思いますが、「泡ピタ」に込められたこだわりについても教えてください。

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「泡ピタ」の名の通り、最大の特長は“泡がピタっと密着する”ことです。

泡ピタの泡は、フチ裏のような見えづらく、しかも洗剤が流れ落ちやすい場所でも、泡がしっかり汚れに行き渡ってとどまり、洗剤の有効成分を密着させたまま一定時間しっかり作用するように設計されています。その結果、こすらなくても尿汚れがしっかり落ちるという高い洗浄効果を実現しています。

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密着しやすい泡をどのように作り出しているんですか?

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泡を作るには界面活性剤が必要ですが、多すぎると泡立ちは良くても流しにくくなったり、泡が重くなって密着力が低下してしまいます。そこで「泡ピタ」では、効率よく豊かな泡を作れるよう、成分のバランスを調整しました。

界面活性剤には種類や量の組み合わせで何万通りもの選択肢がありますが、これまでの知見をもとに「この成分とこの成分を組み合わせると、こういう泡になるだろう」と予測しながら試験を重ねました。組み合わせの違いで泡の性質が大きく変わるため、多くのパターンを検証し、「少量でしっかり泡立ち、重すぎずフチ裏に留まり続ける」最適なバランスを見つけ出しました。

スプレーの泡の作り方にも工夫があります。泡はシャボン玉のように洗剤に空気を細かく入れることで発生させるのですが、「泡ピタ」では、より一気に細かい泡を立たせてフチ裏にしっかり密着するように、独自のスプレー容器を設計しました。

このように成分と噴射機構の両面から、トイレ掃除用として最適な泡の形状を目指しました。

逆さにしても使え、細かい泡が立つように緻密な工夫が施された「泡ピタ」のスプレー容器。
(画像提供:ライオン株式会社)

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フチ裏にかけやすいように容器が逆さの状態でも噴射できる容器の機構もすごいと思いました。

質問者アイコン

スプレーの設計にはこだわりました!噴射時の勢いについても、強すぎると泡が飛び散ってしまうし、弱すぎると狙った場所に届かない。泡が適切な広がり方をするよう、容器を選定しています。

洗剤の処方だけでなく容器も含めてトータルで効果を追求するのが研究員の仕事。
(リケラボ編集部撮影)

Q. トイレ掃除のコツとは?

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「ルックプラス 泡ピタ トイレ洗浄スプレー」をはじめとするトイレ用洗剤の効果を100%発揮するためのお掃除のポイントを教えてください。

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トイレのお掃除においては「汚れがひどくなる」前に「こまめに汚れを取り除くこと」が何よりも大切です。

床やフタに飛び散った水にも菌が混じっており、菌が尿を分解すると悪臭が発生します。そこで定期的な掃除とあわせてこまめな拭き取りを組み合わせて行なっていただくことを、コツとしてお伝えしています。

  • 1週間に1回「ルックプラス 泡ピタ トイレ洗浄スプレー」を使い、便器の中やフチ裏をしっかり掃除。尿などが石状に固まってしまうと、こすり洗いが必要になりますのでそうなる前に使用いただくことでお掃除がラクになります。
  • 毎日のお掃除には「ルックプラス まめピカ 抗菌プラス トイレのふき取りクリーナー」がオススメです。トイレットペーパーに吹きかけてサッと拭き取るだけで、便座や床の汚れを手軽に除去できます。家族みんなが「トイレに入ったらついでに拭く」習慣をつけると、汚れが溜まりにくくなります。

トイレのちょこっと拭きに最適な「まめピカ 抗菌プラス」。
(画像出典:ライオン株式会社)

質問者アイコン

トイレットペーパーでサッと拭けてそのまま流せてしまう手軽さがいいですね!

質問者アイコン

詳しくは企業秘密なのですが、「ボロボロ防止成分」により、トイレットペーパーが溶けたりボロボロになったりせず、適度なコシを保ちながら汚れをしっかり絡め取れるように調整しています。

また、細々した所にスプレーすることが多いので、小さな泡で出るように、スプレー容器にも設計の工夫を施しています。

質問者アイコン

本当に細部までこだわりと工夫が詰まっているのですね。今回お話を伺って、これからの日々のお掃除がなんだか楽しみになりました!

質問者アイコン

そう言っていただけると、とても嬉しいです!お掃除って「面倒」「嫌なこと」とネガティブに捉えられがちですが、「できるだけ前向きに、明るい気持ちでお掃除できるように」というのが、私たちの想いであり、そのコンセプトに基づいて生まれたのが「ルックプラス」シリーズです。

こまめな掃除を習慣化することが、一番ラクに清潔を保つコツなので、少しでもお掃除を楽しく感じてもらえるよう、香りや使い心地にもこだわっています。ぜひ、楽しみながら使っていただきたいです!

(リケラボ編集部撮影)

ライオンの研究員&マイスターに聞く! ヒット商品を生みだす研究職になるために必要なこととは?

質問者

最後に研究職を目指す読者に代わり、ぜひお聞きしたいことがあります。暮らしに密接に関わり役立つ商品を生み出す研究開発の仕事で活躍するために大事なことは何でしょうか?

溝田さん

好奇心は大切ですよね。研究職というと、実験室で黙々と成分を調べているといったイメージがあるかもしれませんが、実際の仕事はもっともっと幅広いです。

たとえば洗剤を開発するとき。成分だけではなく、「使いやすい容器の設計」や「生活者がどう感じるか」まで考え、またそれらの分野を専門とする仲間と細やかにコミュニケーションをとりながら仕事を進めます。「実験だけしていたい!」など自分の仕事を限定するのではなく、何にでも興味を持ち、見て、知って、積極的に関わる姿勢を持つことが大切だと思います。

吉井さん

日々の生活のなかでアンテナを立てておくことも、すごく大事ですよね。すべての現象、何気ない暮らしの中にも科学がありますので。

溝田さん

その通りです。研究のヒントは日常生活の中にあります。たとえば「お風呂の汚れはどんな風につくのか?」と考えながら入浴してみる。実際に触ってみて、「どこに汚れが溜まりやすいか」を確認する。そういう観察力を鍛えることが、より良い製品開発につながると思います。

質問者

面接など、応募する際の心構えについても何かアドバイスをいただけますか?

溝田さん

「この会社の製品が好きだから入りたい」という志望動機はもちろん嬉しいと思いますが、「入社後、自分がどんなふうに志望する会社で活躍できそうか?」という視点も大事かと思います。また、肩ひじ張らずに、ご自身のPRをしていただくのが良いと思います!

吉井さん

学生さんですと、最終製品をつくっている企業は普段から名前も知っているし応募イメージがわきやすいと思うのですが、研究の仕事ができる企業は実はたくさんあります。洗剤で言えば、原料を開発しているメーカーもあって、そういうBtoB(Business to Business:法人向けのビジネス)企業にも目を向けると、より多様な選択肢が見えてくると思います。

溝田さん

私自身も就活をしていた頃は、自分が知っている企業ばかりに目が向いていました。でも、社会人になって、世の中には一般生活者には知られていないけど、おもしろい仕事をしている会社がたくさんあることを知りました。化学メーカーだけでなく、容器メーカーや電機メーカーなど、製品開発を支える企業もとても魅力的です。

吉井さん

見えている範囲だけで判断せず、業界全体に目を向けることで、ご自分に合ったキャリアの選択肢が広がると思います。

溝田さん

研究の現場には、好奇心旺盛で自ら手を動かして試してみるのが大好きな仲間がたくさんいます。仲間と一緒にお客様の困りごとを見つけて、それを解決する製品を作り上げていく仕事、とてもわくわくしますよ!

研究所ロビーにずらっと並んだ製品の数々。
(リケラボ編集部撮影)

<取材を終えて>

「お風呂やトイレがこすらずにキレイにできる」という、それまでの掃除の常識を覆す画期的な製品が、銀イオン配合など更なる進化をしていること、そしてそれは高い技術力と研究員の方々のひたすらに実験を繰り返した努力の結晶なのだということに、改めて感動しました。生活者のお悩みを解決する製品を作りたい、という研究者魂をヒシヒシと感じ、今後も新製品が出るたびに、どんな苦労や工夫が込められているのか、想いを馳せることになりそうです(そしてとても楽しみです)。

毎日のお風呂の時間にも開発のヒントを得ようとする貪欲さも、研究職を目指す方にとって大きなヒントになりますね。

取材にご協力いただいたライオン株式会社様、溝田さん、吉井さん、貴重なお話を誠にありがとうございました!

<もっと知りたい方へ>

今回ご紹介したライオンの研究開発の全体像、他の研究者の方のリアルな声や舞台裏については、以下のページから詳しくご覧いただけます。

また、記事中で登場した製品やその選び方について詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

リケラボ編集部

リケラボ編集部

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