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記念すべき初回は、50×TAEバッファーです!
50×(10×)TAE buffer
核酸など電気泳動で一般的に用いられるバッファー(緩衝液)です。電気泳動そのものは、古典的な解析手法となりますが、非常に奥が深くこのテーマだけで1冊の本が書けるとさえいわれています。(このことは別の機会にまた触れます)。
ところで、なぜ溶媒として緩衝液が用いられるのかご存知でしょうか。 通電できることだけが重要であるなら、脱イオン処理していない水でも構わないような気がします。緩衝液を使う理由の一つとしては、対象とする物質の荷電状況や、過剰な電流が流れるのを防止することが挙げられます。
また、安価であることもTAEバッファーが選ばれる理由の一つです。 それゆえ、使用頻度が高くなるのですが、一方で緩衝能力は弱くロングランには向きません。一晩中通電するような場合はTBEバッファー?が用いられます。
50×または、10×ストックを作成して使用します。
必要試薬
・2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(通称Tris:トリス、NH2C(CH2OH)3、分子量=121.14)
・酢酸(CH3COOH、分子量=60.05)
・EDTA disodium salt dihydrate(EDTA二ナトリウム塩二水和物)
それぞれ、1Lのストック溶液を作る場合の必要量です。
調整方法
表試薬を蒸留水などに溶解して、1Lにメスアップします。保存はオートクレーブなし常温で可能です。
*Chall-edge研修講師(理学博士)による試薬調整法の解説です。
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