おもしろ実験や親子で楽しめる理系企画など、理系ゴコロをくすぐる情報が盛りだくさん。

家や学校、公園などどこにいても、不思議なことがいっぱい!
「なぜ?」「どうして?」が科学でわかると、いろいろなことを観察するのが楽しくなるよ。
今回は「電気は何でできているのか」を考えてみよう!
電気とは「電子」が飛び出すこと
みんなは、私たちの生活を便利にしてくれる電気の正体が何か考えたことはあるかな?
それは、物の中にある「電子」という小さなつぶが飛び出すことで発生する力(エネルギー)なんだ。
でも、電子ってなんだろう?この後、詳しく説明していくよ。

電子って何?

つくえ、水、体など、どんな物でもとても細かくしていくと、原子っていう小さなつぶが集まってできているんだ。
さらに、その原子の中には「電子」っていうもっと小さいつぶがある。
この電子が、ある原子から飛び出して別の原子へいどうしたり、ある場所にたくさんたまりすぎて飛び出したりすると、それが電気になるんだ。
どうして電子が動くの?電気にはどんな種類があるの?
原子から電子が飛び出すのは、何かの力がはたらくからなんだ。
その力って何だろう?それは電圧、まさつ、光などだよ。 じゃあ電圧、まさつ、光などの力をもらうと、どんな電気が発生するんだろう?
(1)「電圧」があると金ぞくの中に「電流」がうまれる

まず、電子が「電圧」という「電子を流そうとする力」をもらうと
・たくさんあるところ(マイナス極)から少ないところ(プラス極)へいどうしようとする
・流れやすい道(金属)を通ろうとする
動きをするよ。
こういう電子の流れを「電流」って言うんだ。
<電子がマイナス極からプラス極へ動く例は?>

電池は電圧をくれる装置(そうち)なんだ。
この電圧をうけると、電子がマイナス極からプラス極へ流れる。こうして、電流が生まれるよ。
でも、ここで注意しなきゃいけないのは、電流の向きは電子の流れる向きとは逆だと言うこと。つまり、電流の向きはプラス極からマイナス極なんだ。
電子が流れることが電流なのに、どうして電子と電流は逆向きになるんだろう?
それは…実は昔の人が間違えちゃったから!
昔の人は、電子がマイナス極からプラス極へ流れることを知らなかったんだ。 でも「どうやら、電流っていうものはあるらしいぞ!」ということだけ、わかっていた。 その時「電流の流れは、プラス極からマイナス極って決めちゃおう」ってなったんだ。
その後「電子はマイナス極からプラス極に流れる」っていうことがわかった。けれど、「前に、電流の向きをプラス極からマイナス極って決めちゃってたけど、『電子の流れる向きと逆だから良い!』ってことにしちゃおう。」って決めたんだよ。
<電子が金ぞくを流れる例は?>

発電所はみんなの家へ、「電圧」という電子を流す力をくれている。
そんな家の中で、タブレットのじゅう電器をコンセントの穴にさした時のことを考えてみよう。
タブレットのじゅう電をはじめると、タブレット、じゅう電器、コンセント、家のかべの中にある金ぞくの線がつながる。
その金ぞくの中には、「自由電子」っていう自由に動きやすい電子があるんだ。
だから、発電所からもらった電圧が、家の中でつながれた金属の線の中(どう線)にある電子を、ドンドン流してくれるんだ。
こうやって、テレビや冷ぞう庫などの家電せい品は動いてるんだよ。
(2)「まさつ」が起きると「静電気」になる

みんなは、パチっと静電気を感じたことはあるかな?
静電気がおきるときは、電圧や金ぞくはあまり関係ないんだ。 じゃあどうして静電気はおきるんだろう?
例えば、かみの毛と下じきなど、電気を通しにくいもの同士をこすり合わせた時を考えよう。この時、かみの毛から下じきに電子がいどうするんだ。
ものによって「電子を失いやすいか、もらいやすいか」は決まっているんだけど、この場合にはかみの毛は電子を失い、下じきには電子がたまるよ。
こういう電子にかたよりができた状態のことを、静電気(帯電)っていうんだ。
また、電子がたまりすぎると、かたよりをもとに戻そうとして、空気中やふれたものに電子が飛び出す。
これがパチっと感じる正体で、静電気放電って言うよ。
実は、カミナリが落ちる理由もこの静電気放電ににていて、火花放電っていうんだ。
雲の中で氷同士がこすれてたくさん電子がたまると、空気中に電子が飛び出し、 空気の中を電子が流れていく。これがカミナリの正体なんだ 。
(3)「光」をうけると「太陽光発電」になる

電圧で電流が起きているわけでもなく、まさつで静電気が起きているわけでもないのに、電気が発生するときがあるよ。
それは、電子がたくさん光をうけたとき。
例えば、ソーラーパネルがたくさん太陽の光をあびると、ソーラーパネルにある電子が飛び出して電気を作るよ。
これを太陽光発電って言うんだ。
身のまわりの電気について考えてみよう

いつもなにげなく使っている電気にも、流れる理由、種類などがあったね。 これからは、生活する中で「この電気はどういう電気かな?」と考えてみて。
例えば、部屋のライトやスマートフォン、電車などの乗り物にも電気が使われているよ。 これらには、どんな電気が流れているのかな?今回紹介した中だと、どの種類の電気かな?
でも、電気を使っている物の中にはあぶない物もあるので、勝手にさわらないように注意してね!
電気の話だけじゃなく、生活の中のなにげないことを調べてみると、そこには科学がかくれているはず。
「なぜ?」と思ったら、ドンドン考えるようになると、それは科学博士がやっていることと同じことだよ!
関連記事Recommend
-
クイズ!顕微鏡で見た身の回りのもの、これは何?vol.5
-
クイズ!顕微鏡で見た身の回りのもの、これは何?vol.2
-
夕焼けはなぜ赤いの?かんたんな実験でたしかめよう!
キッズの不思議vol.3
-
親子で楽しもう、身の回りのサイエンス
第11話「湿度を測ろう」中学生向け
-
なぜ、おふろに入ると指がシワシワになるの?
キッズの不思議 vol.2
-
親子で楽しもう、身の回りのサイエンス
第10話「雲を観察しよう(後編) ~季節によって変わる雲~」
-
親子で楽しもう、身の回りのサイエンス
第9話「雲を観察しよう」前編
-
透明(とうめい)な水で作った氷が、なぜ白い?
キッズの不思議 vol.1
-
【保存版】夏休みの自由研究に!動画と文でわかる! 簡単だけどちゃんと科学できる実験25選
-
自由研究にオススメ!平均15分で終わるおもしろ科学実験5選【小学生〜中学生向け】