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ミドリムシで『人と地球を健康に』株式会社ユーグレナが新卒一括採用を辞めた真意とは?

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理系学生にとって「就活」と言えば、「いかに効率よく、研究と両立して進められるか」が大きなテーマ。新卒の就職活動は「横並びの一括採用」と言われ、経団連が定めた指針(いわゆる就活ルール)に基づいて、会社説明会は3月1日、面接は6月1日から解禁というのが、慣習でした。この就活時期、学部生であれば実習や卒研の合間を縫って、修士であれば学会と重なる・・・など、スケジューリングがとにかく悩みのタネ。

さらに、外資系やIT業界など、就活ルールよりも早く採用活動を始める企業も存在し、就活についていつも頭の片隅で気にかかってはいるけれど、研究が忙しくてなかなか手がつけられない・・・とモヤモヤしている人も多いですよね。

そんな理系学生に朗報!

ミドリムシをはじめ微細藻類の活用で急成長中のベンチャー、株式会社ユーグレナが、「新卒採用で、募集期間を限定しない通年採用を開始」したということです。

昨年2018年の秋には経団連会長自ら新卒一括採用ルールの廃止に言及するなど、世の中も変わり始めている様子。

これからの理系の就活はどうなっていくのか?
ユーグレナ社の事例をもとに考えてみたいと思います!

ユーグレナ社のロビー。微細藻類を独自のバイオ技術で様々な社会課題の解決に活用していく。開発製品はサプリメントからバイオ燃料まで幅広い。ミドリムシの高い栄養特性を活かして、途上国の栄養問題にも取り組む。

株式会社ユーグレナ
ミドリムシの食用屋外大量培養に世界で初めて成功した東大発ベンチャー。微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)やクロレラなどを活用した機能性食品、化粧品などの開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究も行う。2012年12月東証マザーズに上場。2014年12月に東証一部に市場変更。経営理念は「人と地球を健康にする」。

 

意志を持って挑戦する人に就活のチャンスを

──どうして、ユーグレナは新卒一括採用を廃止することになったのですか?

シンプルに表現すると、「さまざまなチャレンジをしている人に対して門戸を開いておきたい」というのが大きな理由です。日本の就職活動は、本来は、学生が大学での学業に集中できるようにとの配慮から、一定期間に集中して行われてきました。ところが、留学をしたり、ボランティアなどの課外活動を頑張っていたり、色々なチャレンジをしている中で、いわゆる就活時期にタイミングが合わない学生も増えているのではないかと。理系の学生でいえば、研究に熱心に取り組むあまり、就活シーズンに出遅れてしまった、という方も少なくないですよね。

私たちとしても、学生・大学院生の様々なチャレンジを就活で妨げたくない、という気持ちがあります。思う存分やりたいことに挑戦して充実した学生生活を送ってもらいたいですし、そうした意志を持って積極的にチャレンジをしている人と出会いたいと考え、通常の就活シーズンにこだわらず、通年採用をすることにしました。さらに応募資格も、「30歳以下であれば誰でもご応募いただけます」と、第二新卒にまで広げました。門戸を広げることで、卒業後に留学したり、起業やNPO設立にチャレンジしたりしているような方とも出会いやすくなると期待しています。

お話を聞かせてくださった、人事課長の永井慎也さん

 

──「一括採用をやめよう」と社内で声が挙がったのはどんな経緯があったのでしょうか?

急に声が挙がったわけではなく、「いろいろな人に門戸を広げておきたい」という話は常にされていました。当社はありがたいことに、採用シーズン以外でもホームページからエントリーをしてくれる方がこれまでにもたくさんいて、応募にはその都度対応していました。そのため、実質通年採用に近い形をとってはいたのですが、採用ホームページの一部は就活期間が終わるとクローズしていたんです。そこで、「ユーグレナ社として、採用の門戸を広げたいと思っていることを改めて意思表示をしよう」ということで発表したのが、2018年秋のリリースでした。2019年1月21日には採用サイトを通年採用専用としてリニューアルオープンしたところ、その日だけで50件以上の応募がくるなど、反響も大きかったと感じています。

 

──具体的な採用方法に関しても、変更された点はあるのですか?

前年度から大きく変えたのは、エントリーのハードルを下げたという点です。以前はエントリーシートの段階で、志望動機や自己PRを必ず書いてもらうようにしていましたが、今期からそれを廃止しました。

志望動機は、就活を通じて企業を理解していく中で明確になっていくもので、良く知らない段階で無理やり作らなくてもよいと考えています。もちろん、既に当社を知っていて、事業や想いに共感してくださった上で、はっきりとした目標を持って応募してくださる人も少なからずいらっしゃいます。それはもちろん喜ばしいことですが、「どんな学生に対しても門戸を広げておきたい」というのが、通年採用制を開始した趣旨でもあります。そのため、少しでも気になったら志望動機や自己PRが出来ていないと躊躇せずに応募してもらいたいと思っています。

バングラデシュで栽培された緑豆とバングラデシュの小学校で配布しているミドリムシ入りクッキー

 

自分の仕事が未来へとつながる意識を持って。失敗を恐れず、枠に囚われないチャレンジを

──ユーグレナ社としては、どんな人に仲間になってほしいと考えていますか?

研究開発でいうと、私たちはいろんなパートナーと組んで研究を進めるオープンイノベーション型の会社です。さまざまな分野の知識や考えをつなぎ合わせて新しいものを創造できるような人が活躍できるのではと思います。実際に、当社には様々なバックグラウンドを持った社員がおり、お互いの専門知識を融合させて新しいものやサービスを開発していますので、日頃からアンテナを広く張って、自分の専門領域に限らず他分野の人とも積極的にコミュニケーションをとれるとよいのではないでしょうか。

 

──物事を柔軟にとらえて、自由な発想をできることが求められるのですね。

そうですね。専門外の領域についても広く興味を持って、異分野の物事も「掛け算」で考えられる力だったり、想定外のことが起きたときに柔軟な思考を持って対処できるかだったり……要は、課題の本質を理解して、どうアプローチしていくのか、しっかりと組み立てられることが大切です。

 

──そういった能力は、受け身の勉強で身につけるというよりは、積極的に自分で課題を見つけて考える、行動する、色々な分野の人と意見交換するなど、アクティブな学生生活を送っている人ほど身に付きそうですね。

様々なことにチャレンジしているだけでなく、色々な情報をどん欲に取りに行く「情報感度の高い人」ともいえると思います。そういう人は常に動いて様々な刺激や情報を自分のモノにしていて成長スピードが速い印象がありますね。そういう人たちと一緒に当社も成長し、ますます社会に貢献できる会社となっていきたいです。

それと、もうひとつ大切なのは「挑戦には失敗がつきもの」ということ。私たちは、チャレンジした結果の失敗は失敗ではなく、成長の機会だととらえています。
 
「人と地球を健康にする」という経営理念を実現するために、当社もいくつものチャレンジと失敗を繰り返し成長してきました。
 
だから、学生時代に思いきりチャレンジし、もしかしたら挫折して、自分にはアピールできることが無いと思っている人もいるかもしれないのですが、そういう人も大歓迎です。
 
ミドリムシの大量培養というチャレンジから始まった当社も、2018年には遺伝子解析事業に進出、2020年には、ユーグレナなどを原料としたバイオ燃料で飛行機を飛ばす計画です。それ以外にもどんどん新しい試みに挑戦していきます。

今回、新卒一括採用を廃止し通年採用制にしたことで、より多くのチャレンジングな学生・大学院生、第二新卒の方に仲間になってもらいたいと考えています。

それから、当社は「人と地球を健康にする」という言葉を企業理念として掲げています。これはとても大きなチャレンジであり、まだまだ切り拓くべき道もたくさんあります。そのため、主体的に挑戦を続け、新しいものを生み出していきたいと考えるような人を大切にしたいとも思っています。「昨日の不可能を今日可能にする」ということをやりたい人に、ぜひ来てもらえたらうれしいですし、日々取り組んでいる目の前の仕事がどんな未来につながっていくのかなど、自分の仕事の意味を自分で再定義できることが望ましいですね。

 

──その意識は、大学での研究への取り組み方にも当てはめることができますね。

そうですね。もしかすると、毎日実験に取り組んでいると「これって何につながるのかな」とイメージできなくなってしまうことがあるかもしれません。たとえば私自身は、大学院時代に心臓の動きをシミュレーションする研究をしていて、毎日の作業としては、ひたすらデータをとっていくことでした。ここで「人の命を救うことにつながる」と意識できるかどうかが大切。きちんと意味を感じながら取り組むことで、モチベーションもまったく違ってくるはずです。自分の意志を持つことも、重要なことのひとつ。受け身になって流されるのと、「自分はこう考えて、こうしてきた」と納得しながら進むのとでは全然違います。ぜひ、みなさんも、枠にとらわれずに自分の意志を持って、さまざまなことにチャレンジしてもらえたらと思います。

――――

ユーグレナの新しい採用スタイルは、「チャレンジする人を大切にしたい」という思いのもと始まったものだったのですね。

通年採用が広がれば、学生のうちにより一層研究へと打ち込んだり、留学したり、ボランティアなど課外活動を頑張ったり……思い切ってさまざまなことにチャレンジできるようになりそうですよね。

通年採用のみではなく、就職活動の形が良い方向へと多様化していって、多くの学生が就活に追われることなく、思う存分やりたいことにチャレンジできるようになるといいですね!

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リケラボ編集部

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