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<新社会人必見>理系のためのビジネスマナー講座(4)~敬語・電話編~ | リケラボ

<新社会人必見>理系のためのビジネスマナー講座(4)~敬語・電話編~

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就職して一番自信が持てないビジネスマナー、それは敬語ではないでしょうか?

普段使い慣れない言葉を使うと、なんだか自分の思っていることをきちんと伝えられていない気がしますよね。でも社会人として敬語がきちんと話せないと、コミュニケーションに支障をきたし、仕事も任せてもらえません。慣れれば違和感なく話せるようになりますので、毎日練習あるのみです。まずは基本をおさらいしてみましょう!

後半では具体的な電話のシーンでケーススタディをして、受け答えを復習していきます。

ビジネス敬語の理解度テスト

みなさんは以下の言葉を、ビジネスシーンにふさわしい言葉遣いに変えられるでしょうか。

【1】自分、自分たち、私たち、(複数回答可)
【2】相手の会社(複数回答可)
【3】どうですか、これでいいですか?
【4】ちょっと聞きたいのですが
【5】私ではわからないので、担当の人に電話を代わります
【6】あなたの言っている意味がよくわかりません
【7】そこに座ってちょっと待ってください
【8】うちの山田部長がよろしくと言っていました
【9】(お客様に)受付で伺っていただけますか?
【10】(お客様に)お茶にいたしますか? コーヒーにいたしますか?
【11】(お客様に)◯◯様でございますね

回答は、記事の最後にあります。ちょっと自信がないという人は、次の段落から順に読み進めてみてください。記事が終わるころには、すっかり答えられるようになっているはずです!

間違いやすい敬語表現をチェック!

敬語には、相手を敬う「尊敬語」と、相手を立てるために自分がへりくだる「謙譲語」、言葉自体を丁寧にして相手に敬意をあらわす「丁寧語」があります。よく使う言葉を、それぞれの敬語で言うとどうなるか、チェックしてみましょう。

用語 尊敬語 謙譲語 丁寧語
言う おっしゃる 申す・申し上げる 言います
見る ご覧になる 拝見する 見ます
聞く お聞きになる 伺う 聞きます
する なさる いたす します
行く いらっしゃる 伺う・参る 行きます
来る いらっしゃる 伺う・参る 来ます
いる いらっしゃる おる 居ます

尊敬語や謙譲語が混ざってしまった、よくある間違いはこちら。

NG OK
○○さんはおられますか? ○○さんはいらっしゃいますか?
○○さんは参られますか? ○○さんはお越しになりますか?
受付で伺ってください 受付でお聞きになってください
こちらを拝見してください こちらをご覧ください
○●様でございますね ○●様でいらっしゃいますね

また、丁寧を意識するあまり、敬語表現が過剰な二重敬語にも注意が必要です。

よくある間違いはこちら。

NG OK
お客様がお越しになられました お客様がお越しになりました
私がご説明させていただきます 私がご説明いたします
私が説明させていただきます
〇〇様がおっしゃられました 〇〇様がおっしゃいました

敬称の使い方は、話す相手によって変わる!

敬称は、自分が誰に話しているかによって変わります。社外の方に自社の人間のことを伝えるときには、尊敬表現は使いません。基本の3種類を押さえておきましょう。

1. 社内で自分の上司を呼ぶとき
【×】野村課長さん → 【○】野村課長

2. お客様や社外の方に、自分の上司のことを話すとき
【×】野村課長は → 【○】野村は、課長の野村は

3. お客様をお呼びするとき
【×】野村さん → 【○】野村様、野村課長

覚えておきたい定番フレーズ

汎用性の高いフレーズは、毎日使うからこそ正しい敬語で覚えておきたいところです。表現をすこし変えるだけで、とてもやわらかく、礼儀正しい印象になります。

1. どうですか?  → いかがですか?
2. どうしますか? → いかがいたしましょうか?
3. わかりません  → 申し訳ございませんが、わかりかねます
4. 何ですか?   → どのようなご用件でしょうか
5. 来てください  → ご足労願えますか、お越しいただけますか
6. わかりました・了解です → かしこまりました、承知いたしました
7. 知っています  → 存じております
8. 言っておきます → 申し伝えます

また、お願いやお断り、質問をする際などには“クッション言葉”が有効。用件の前に「恐れ入りますが」「お手数ですが」「失礼ですが」「よろしければ」などを付け加えるだけで、ぐっと感じよく、思いやりのある印象になります。

コミュニケーションを円滑にする表現

1. お願いするとき

命令形は依頼系に置き換える。
例)お待ちください → お待ちいただけますか
教えてください   → 教えていただけますか

2. お断りするとき
否定形は肯定形に置き換える。
「できない」「わからない」とストレートに伝えるのではなく、肯定表現にする。
プラスアルファ、何かしらの提案や代替案を添えると誠意が伝わりやすい。

例)分かりません → 分かりかねます+(わかるものと代わります)
できません    → できかねます+(できるところまでの提案)
それではだめです → このような方法はいかがでしょうか。

今日中にご連絡いただかないと手続きできません
→ 今日中にご連絡いただければ、お手続きができます。

部長の山田は4時まで戻りません。
→ 部長の山田は4時に戻ります。

電話で使う敬語~かけるとき~

電話は声だけのコミュニケーションのため、いっそう言葉遣いに気をつける必要があります。相手に失礼がないように感じよく、わかりやすい電話を心がけましょう。

それでは、実際の流れに沿って、フレーズを確認していきます。

1. 「わたくし、株式会社○○の田中と申します。いつもお世話になっております」
取次人が電話に出たら、自分の会社名と名前を伝えます。「いつもお世話になっております」のご挨拶を忘れずに。

2. 「恐れ入りますが、○○部の山田さまへお取り次ぎ願えますか?」
クッション敬語の「恐れ入りますが」を添えて、話したい相手への取り次ぎを頼みます。

3. 話したい相手につながったら「株式会社○○の田中です。いつもお世話になっております。いま、お時間よろしいでしょうか?」
相手に改めて名乗ります。電話は先方の時間に割り込むことになるので、都合を伺いましょう。携帯電話にかけるときは、最初に名乗る際、都合を確認します。

4. 話したい相手がいなかったとき「山田さんが戻られましたら、折り返しをお願いできますでしょうか。私の電話番号は1234-5678でございます」
折り返してほしい旨と、自分の電話番号を伝えましょう。よくある「番号は1234-5678になります」は間違い。事実を述べただけで変化が生じていない場合は「なります」ではなく「ございます」を使います。また、急ぎでない場合は先方に手間をかけさせず、話したい相手が戻る時間を確認して「こちらから改めておかけします」というのもよいでしょう。

5. 用件が終わったら「ありがとうございました。それでは失礼いたします」と切る。

電話で使う敬語~出るとき~

電話がかかってくるのは突然なので、ドキドキして出たくないと思うかもしれません。でも、電話応対も仕事の一部という職場もあります。会社の窓口として、適切に対応しましょう。

1. 「はい、株式会社○○でございます」
電話をとるのは2コール以内を目標に。3コール以上かかってしまったときは「お待たせいたしました」を添えましょう。

2. 相手が名乗ったら「○○会社の山田様でいらっしゃいますね、いつもお世話になっております」、名乗らないときは「恐れ入りますが、御社名とお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
クッション敬語の「恐れ入りますが」を添えて、かけてきた相手のことを確認します。どなたか判明したら「いつもお世話になっております」と挨拶を。

3. 希望の相手に取り次ぐときは「営業部の田中ですね。少々お待ちくださいませ」
保留ボタンを押してから、名指しの相手に取り次ぎます。受話器を手で隠して、大声で名前を呼ぶのは失礼なのでやめましょう。取り次いだら、電話応対は終わりです。

4. 希望の相手がいなかったときは「申し訳ありません。ただいま田中は外出しております。戻りましたら山田様へお電話を差し上げますが、ご都合はいかがでしょうか」

不在の状況や今後の対策を提案します。不在のバリエーションとして「席をはずしている」「別の電話に出ている」という表現も覚えておくと便利。こちらから折り返すことになった場合は、相手の電話番号を忘れずに聞いておきましょう。

5. 「それでは田中が戻りましたら、山田様へお電話するよう申し伝えます。お電話を受けました私、○○と申します」
代わりに要件を聞いて伝言する場合も、このように内容を確認します。相手が安心できるよう、最後に自分の名前も伝えておきましょう。

7. 用件が終わったら「ありがとうございました。それでは失礼いたします」と切る

上記はあくまで一例です。職場によって個別のルールがある場合も少なくないので、先輩などに確認しましょう。とはいっても、基本のフレーズを押さえておけば、あとは慣れ。怖がらずにどんどん電話に出たいですね。

電話応対でやってしまった失敗体験

・親切のつもりが・・・
先輩が不在中にお客様から電話があり、スケジューラーを見たら16時まで実験の予定となっていた。目安が分かると先方も助かると思い「16時に戻ります」と伝えたのだが、実験が長引いたのか、戻ってきたのは17時だった。

対処法
当日の予定が変更になったり、ほかの用件が立て込んで、すぐに折り返し電話ができない場合も多々あります。予定は安易に伝えずに、「戻り次第折り返す」という表現にとどめておくのも一つの方法です。

・電話をかけて恐縮した話
こちらが掛ける側の時も気を使います。電話に出てくださった方がとてもいい方で、わざわざラボまで相手の方を呼びに行ってくださるとのことでした。ですが保留のまま時間ばかり過ぎてゆき・・・ラボがいくつかあり、探してくれたとのこと、とても恐縮してしまいました。実験中は集中していますし、作業を中断できないことも多いですよね。なので、電話をかけて不在の場合は、「急ぎではないのでこちらからまた改めます」と言うようにしています。

理解度テストの解答

【1】自分、自分たち、私たち、(複数回答可) → わたくし、わたくしども
【2】相手の会社(複数回答可) → 御社、貴社
【3】どうですか、これでいいですか? → いかがですか、こちらでよろしいでしょうか?
【4】ちょっと聞きたいのですが → 恐れ入りますが、少々お伺いしてよろしいでしょうか
【5】私ではわからないので、担当の人に電話を代わります → 申し訳ございません、私ではわかりかねますので、担当者に電話をおつなぎいたします
【6】あなたの言っている意味がよくわかりません → 恐れ入りますが、もう一度ご説明いただけますか
【7】そこに座ってちょっと待ってください → 申し訳ございませんが、そちらにおかけになって少々お待ちいただけますか
【8】うちの山田部長がよろしくと言っていました → 私どもの部長の山田が、よろしくお伝えするよう申しておりました
【9】(お客様に)受付で伺っていただけますか? → 受付でお聞きになっていただけますか?
【10】(お客様に)お茶にいたしますか? コーヒーにいたしますか? → お茶になさいますか? コーヒーになさいますか?
【11】(お客様に)◯◯様でございますね → 〇〇様でいらっしゃいますね

まとめ

敬語には、相手への尊敬の気持ちや自分の品格があらわれます。初対面やあまり親しくない相手と良好な関係を築くためにも、潤滑油の役割を果たしてくれます。普段から目上の人と積極的に話して、正しい言葉遣いを早いうちに身につけてしまいましょう。美しい敬語を使うだけで、印象がぐっとよくなりますよ!

資料提供/記事監修:
人材育成コンサルタント クルール 池田泰美(いけだひろみ)
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リケラボ編集部

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